小高い丘の上に立つ「明々庵」。やや急な石段を登り最後の一段に立つと、ぱっと視界が広がり、松江城の天守閣が目に飛び込んでくる。こちらは、大名茶人として知られる松江藩七代藩主・松平不昧公によって、1779年に建設された茶室。一時期は東京に移され、戦時には腐朽倒壊寸前まで荒廃していたが、1966年、不昧公没後150年の記念事業として現在の地に再建され、島根県指定文化財にも指定されている。こちらでは、枯山水の庭を眺めながら抹茶と和菓子が愉しめる。菓子の甘みを堪能したあと、口に広がる抹茶の苦味とさわやかな香りが実に味わい深い。現代でも京都、金沢とともに茶どころとして知られる松江で、茶文化に触れよう。(2018年3月時点の情報です)
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