神話や歴史書にも登場し、日本最古と言われる名湯・道後温泉。そのシンボルが日本の公衆浴場として初めて国の重要文化財に指定された『道後温泉本館』だ。風格漂う美しい木造3階建ての館内には「霊の湯」「神の湯」があり、4つの入浴コースを用意。各部屋と廊下、階段が複雑に入り組んだ迷宮さながらの館内は、散策するだけでも愉しい。
湯屋の魅力を堪能するなら「霊の湯3階個室」「霊の湯2階席」がおすすめ。どちらも日本唯一の皇室専用浴室「又新殿」の観覧が無料となり、「神の湯」「霊の湯」ともに愉しめる。入浴後は浴衣姿でくつろぎながら、お茶とお茶菓子でのおもてなしを。ほかにも貴重な資料を紹介する展示室や、文豪・夏目漱石が利用したと伝えられる「坊っちゃんの間」など、見どころ満載だ。
2019年1月以降には、営業を続けながら保存修理工事を行う予定。
2017年9月にオープンした『道後温泉別館 飛鳥乃湯泉』は、飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋。「太古の道後」をテーマに、道後温泉にまつわる伝説や物語などを「愛媛の伝統工芸」と「最先端のアート」をコラボレーションした作品で館内を演出し、訪れる人を魅了している。
道後温泉のもうひとつの愉しみは、温泉街のそぞろ歩き。60軒以上の店が軒を連ねる商店街「道後ハイカラ通り」では、郷土料理「鯛めし」や愛媛特産の柑橘類を使ったジュースなど、愛媛の魅力を発信する個性豊かな店に出合える。
愛媛県の特産品であるミカンや柑橘類を味わうなら『10FACTORY』へ。生絞りジュースを飲み比べできる「みかんジュースお試し3種セット」500円はぜひオーダーを。ハンディゼリーやジャムはお土産にもおすすめだ。無添加の生絞りジュースはテイクアウトもOK。
創業100有余年「宇和島鯛めし」の元祖『丸水』の「宇和島鯛めし(天然真鯛)」2100円。元々「鯛めし」は鯛に醤油を絡めて食べる素朴な漁師めしだったが、初代店主が生卵を割り入れ、うまダレを加えるなどして御膳で提供される料理へと昇華。天然マダイの刺身は、もっちりとしていて弾力に富む。ご飯はお替り自由。
明治16年創業の和菓子店『つぼや菓子舗』。夏目漱石が明治28年に松山に教師として赴任した時に食べたのがこの店の「湯晒団子」と言われている。それをもとに2代目がお土産として新たに生み出したのが「坊っちゃん団子」の始まりだ。写真は「抹茶と坊っちゃん団子(2本)」648円。素材にこだわり、北海道産の小豆や手亡豆で餡を作っている。
『道後温泉本館』まで歩いてみると、すぐそばに「冠山」が見える。その向こう側の坂道を上り、135段の石段を上った先にあるのが『伊佐爾波神社』だ。朱塗りが美しい「八幡造り」の社殿もさることながら、石段の上から見る道後の景色は目を見張るものがある。御祭神は、神功皇后・仲哀天皇・応神天皇・三柱姫大神。社伝によると、仲哀天皇、神功皇后が道後温泉に来浴された際の行在所跡に建てられた神社で、湯月八幡とも呼ばれていた。現在の社殿は、江戸時代に藩主により京都の石清水八幡宮を模して建て替えられた「八幡造り」で国の重要文化財に指定。
街歩きと外湯めぐりを満喫したら、今夜の宿へ。『ホテル椿館 本館』は、チェックイン時に「坊っちゃん」「マドンナ」の姿に身を包んだスタッフが出迎えてくれ、ロビーには明治時代の洋館のような雰囲気が漂う。夕食は、郷土料理をはじめ約50種類の料理が味わえるバイキングと会席料理から選べ、地産の食材を存分に堪能するなら会席料理「愛樂膳(あいらくぜん)」を。「鯛釜飯」をはじめ愛媛の贅を詰め込んだ料理の数々に感嘆するはず。休演日を除き、年間約300日「水軍太鼓ショー」があり、力強く勇壮な演奏で大いに盛り上がる。
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(2018年3月時点の情報です)