海上安全や五穀豊穣、商売繁盛などにご利益があるといわれ、長く深い信仰を集めている『金刀比羅宮』。多彩なお店が並んだ賑やかな表参道をぬけ、365段目の大門をくぐると、そこから「神域」が広がる。自然が豊かに残る境内には、歴史ある建造物や文化財が多数立ち並んでおり、そこから約1時間ほどかけて登っていくと、急角度の階段が133段続く「御前四段坂」が見えてくる。そこを乗り越えると、素木造りの「御本宮」が目の前に。創立の詳細は不明だが、一切弧をなしていない建築が特徴だそう。到着した大きな達成感とともに、山や土地を守るとされてきた神の聖なる力を感じることができる。見晴らしもよく、瀬戸大橋や讃岐富士(飯野山)を眺められるが、ここはまだ785段目。これから、樹木が生い茂り、どこか神秘的な空気感が立ち込める道を進み「奥社」を目指す。本宮から583段、距離にして1kmあまりの階段の道のりを踏破すると、最終地点「奥社」のへ到達。削られた山肌の脇に佇む朱色の社には、金刀比羅本教の教祖である厳魂彦命が祀られている。近年、パワースポットとして注目されているのもうなづけるほど、一帯は静かで力強い空気が満ちている。1368段登ってきた者だけが身を置ける、神聖な場所だ。
※2018年3月現在、奥社道は昨年の台風襲来に伴い、通行止め。(2018年3月時点での情報です)
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