広島県尾道市を起点に大小の6つの島と7本の橋を経て愛媛県今治市へと至る全長約60kmの道。有料道路にサイクリングロードが併設されており、道中、穏やかな瀬戸内と島々が織り成す絶景を眺められるとあって、全国のサイクリストたちが集まってくる。
今回の目的地は、しまなみ海道のほぼ真ん中に位置する生口島。島の約50%が急傾斜になっているため日当たりがよく、温暖少雨な気候を生かして、柑橘類の栽培が盛んだ。なかでもレモン栽培は明治時代に始まったといわれ、生産量日本一を誇る。生口島でレモンを満喫するなら、まずは老舗『旅館つつ井』の「レモン風呂」へ。輪切りにしたレモンを贅沢に浮かべた湯に浸かると、爽やかなレモンの香りに包まれ、肌がつるつるになると評判だ。
瀬戸田港桟橋前に、明治43年(1910年)生口島で最初の宿として創業した老舗『旅館つつ井』。日本画家・平山郁夫ゆかりの宿としても知られる。1泊2食付は1万2960円~、日帰り入浴は500円(受付は16:00~20:00)。宿泊客が多い日は中止の場合があるので、事前に確認を。
レモンをはじめ旬の柑橘を使ったジュースやスウィーツを堪能するなら、「しおまち商店街」にあるカフェ『felice di tucca』へ。おしゃれな店内で過ごすのも心地よいが、天気のいい日はテイクアウトして海辺で味わうのもおすすめだ。生口島の隣・高根島の古民家を改装して営むカフェ『高根パラディーゾ』も、パスタやハンバーグ、ホットケーキなどレモンを使ったメニューが充実。みずみずしい地の恵みを活かした料理と、ゆるりと流れる島時間に自転車旅の疲れも癒される。
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生口島出身のオーナー塚本美砂子さんが、地元の柑橘のおいしさを知って愉しんでほしいと、しおまち商店街の一角にオープンした『felice di tucca』。旬の柑橘を使ったジュースを中心に、スムージー、シェイク、手作りのケーキやムースなどを提供している。写真は、瀬戸田産レモンのシロップ漬けがのった「レモンムース」400円、すっきりとした味わいの「レモネード」500円。
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東京からUターンしたオーナーの大泰司幸嗣さんが、瀬戸田町の向かいにある高根島の古民家を改装して始めたカフェ『高根パラディーゾ』。縁側や座敷のある寛ぎの空間で、「岩城島産レモンポークハンバーグランチ」1500円など、地元の柑橘を生かしたメニューを堪能できる。広い庭にはテラス席も設けられ、マルシェやライブなどのイベトも随時開催。
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