今から約1300年前に編纂された『出雲国風土記』に、「一たび濯けば形容端正」と記載されているほど、古くから美肌の湯と知られた玉造温泉。今では、肌の角質を取り除き潤いを補給、さらに保湿する効果があるということが科学的にも証明されている。泉質はナトリウム・カルシウム・硫酸塩・塩化物泉。浸かるだけで化粧水を付けたように肌が整うと、女性を中心に人気の温泉地となっている。
その中心地を流れる玉湯川沿いには旅館や店が建ち並び、温泉以外にも美肌にまつわるスポットが点在。訪れたら町のそぞろ歩きも愉しみたいところだ。ぜひ訪れてほしい場所のひとつが、『清巌寺』の「おしろい地蔵さま」。かつて顔のあざに悩んでいた和尚が地蔵におしろいを塗って祈願したところ、あざが治癒したと伝えられている地蔵だ。
お土産を探そうと訪れたのは『玉造アートボックス』。昭和40年頃に建てられた旧旅館の建物をリノベーションした複合施設で、スウィーツショップ『美肌マルシェ』や雑貨店『はこぶね』、カフェ『mame café』など複数の店舗が同居する。『mame café』ではレトロな雰囲気に癒されながら、のんびりとカフェタイムを愉しめる。
玉湯川沿いには温泉宿が連なり、それぞれに風格ある佇まいの温泉風呂を設けている。古きよき佇まいを残す露天風呂で温泉に思う存分浸かり、地のものを使ったおいしい料理を味わうのは、宿泊するからこそできる温泉旅の醍醐味だ。
今回訪れたのは、江戸時代に松江藩から温泉の管理者「湯之助」に任命されたという歴史を持つ『長楽園』。自慢は、日本一の大きさだといわれる混浴露天風呂「龍宮の湯」だ。明治42年に完成というこちらは、120坪もの広さを持ち、日本家屋に囲まれた湯船には源泉かけ流しの温泉が満ちあふれる。深さは1mほど。階段状の石段があるので、そこに座ってのんびりと玉造の湯を堪能することができる。朝は日差しに反射してきらきら光る水面を感じながら、夜は照明でライトアップされた風呂で湯気に包まれながら、と朝晩で異なる情景が。こちらの温泉は宿泊者のみの利用。混浴だが、女性はバスタオルのような湯着を、男性はトランクスのような湯着を着用して入浴するので安心だ。そのほか、男女別の露天風呂も用意されている。
また、アメリカの『ジャパニーズ・ガーデン・ジャーナル』の日本庭園ランキングで毎年上位に入賞するという1万坪の日本庭園も見どころ。庭園の奥にある洞窟を抜けると、昭和天皇が宿泊された建物が残る御座所庭園もあり、泊ったならぜひ庭園散歩も愉しみたい。
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(2018年3月時点の情報です)