岡山県の山間部に位置する新見市は、四季折々に表情を変える自然あふれた土地。また古くから和紙作りが盛んで、市内には地球の神秘を体感できる鍾乳洞や洞窟、伝統を体験できるスポットなどが点在している。
まずは地球の雄大さを見て、触れて、感じられる「洞窟体験」へ。約400年前に見つかったとされる洞窟内にはつらら状の石柱(せきちゅう)やタケノコ状の石筍(せきじゅん)と呼ばれる石があちらこちらにあり、まるで自然が作り出した芸術作品のよう。一番の見どころは洞窟の最奥にある「大ホール」。約5万年かけて作られた全長5mの大石柱や、かつて大ホール内が水で覆われていたことから波形が描かれた天井など感動の見どころが次々に現れる。約2時間のツアーではガイドに安全に進む方法を教わりながら、ヘッドライトの明かりだけを頼りに、狭い岩の間を這ったりくぐったりして進むアドベンチャーを楽しめる。「洞窟体験」の受付は大佐山オートキャンプ場にあるアウトドア天国で。こちらでは他にも「カヌー体験」や「シャワートレッキング」など様々なアクティビティを展開している。キャンプ場には最新のテントが体験できる「常設テントサイト」や「トレーラーハウス」といった、趣向を凝らしたサイトもあるので、宿泊やデイキャンプを満喫してみては。
次に訪れるのは、勢いよく水音を轟かせる滝「鳴滝」と歴史的土木構造物の用郷林道「七曲がり」。車を停めてから歩いて約10分のところにある「鳴滝」は3段になっており、その全長は約30m。周囲の木々が緑に染まる4~8月頃や、葉が黄色や赤に染まる10~11月の紅葉の季節は、ひときわ美しいので時期を狙って訪れて。また鳴滝のすぐそばには、「七曲がり」と呼ばれる幾重にもカーブが続く坂道がある。高低差約30mの難所を超えるために造られたもので、建設は100年以上も前にさかのぼる。建設当時は地域の主要産業のひとつであった木炭を運ぶために利用されていたが、現在は当時の姿を残す貴重な遺産の一つとしてその姿をとどめている。日本の城によくみられる「石垣」という、石を積み上げた壁が立ちはだかり独特な景観を作り出す。
新見旅の最後は、大中小の大きさ違いで3つ並ぶ全国最大規模の「親子孫水車」が目印の『夢すき公園』へ。体験スペース「紙の館」では、日本特有の伝統的な紙の作り方を伝承。原料となるのは「コウゾ」や「ミツマタ」と呼ばれる植物で、加工した原料を木組みの型で漉いてから乾燥させることで、自然な風合いの紙が完成する。はがき作りの場合は約30分ほどで完成(300円)。体験のあとは、敷地内にある牧場直営レストラン『キッチン神代』での黒毛和牛を使ったランチがおすすめ。肥料で太らせておらず、放牧でストレスなく育てた牛なので、赤身が多く自然本来の味わいで、力強い香りとうま味が味わえる。
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(2020年12月時点の情報です)